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「シバ!……シバっ」
泣きながらシバの身体に身体を埋め、抱き締めている最中にも、ずっと温かな血は蒸発し続けた。
ハッとして見渡すと、地面の血は跡形もなくなり、服の至るところに染み付いていた血痕も消え失せている。
「もしかして……」
再び勢いよくシバの胸に顔を埋め、祈るようにその心音を確かめた。
「シバ…………」
…………心音どころか、盛大なイビキまで響いている。
「シバ!シバ!シバ!」
思わず何度もシバの頬を叩くと、顔をしかめながら彼は再び目を覚ました。
「…………あれ、なんで……」
シバ自身も何が起きているのか、わかっていない様だった。
起き上がった彼は驚く程に無傷で、血の一滴も流れていない。
「無事だったんだ!」
「びっくりしたー!」
周囲の人達の安堵の声の中、私達は再び見つめ合い涙を滲ませる。
「……呪いが解けたんだよ、シバ」
私にはその理由がハッキリとわかっていた。
呆然と目を見開いているシバに、得意気になって微笑む。
「ルシファーのシバは消えて、私の願いが叶ったんだよ!好きな人と結ばれるって夢!」
勢いに任せて力一杯抱き締めると、やっと彼も理解したように、優しく抱き締め返してくれる。
「……私の好きな人は、あなただから」
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