1章:私は一般の中でも幸せな方なのだろう

11/12
前へ
/131ページ
次へ
 流石にヤバイ、と自分でもわかったから気分転換もかねて旦那に子どもをお願いして友人と飲みに行った。  頑張って相談しようと思った。  でも……やっぱり、出来なかった。  内容が内容なだけに、親しい人ほど言葉が詰まり喋れなかった。  ――どうしたら、いいんだろう  病院に行くにも子どもを預けなきゃいけないから必ずバレる。  そうしたら言わなきゃいけなくなる。  その説明をするのが凄くしんどいから嫌だ。  どうしたら、どうしたら、て言葉ばかりで答えが出なくて……もうどうでもいいやって、枯れた涙を地面に忘れながら私は家に帰るために駅を出たのにまた駅に引き返していた。  こんな私、いらないんじゃないかな  その言葉ばかりが過る。  悲しいぐらいに何度も何度も。  だから改札口に近づくまで妙な喧噪に気づけなかった私は、気まぐれに顔を上げた時に漸くその場の異常に気付いた。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加