1章:私は一般の中でも幸せな方なのだろう

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 これはきっと今までの私の態度が招いた結果だ。仕方がない。今まで受け入れていたのに急に拒否して我慢させようというのが無茶だ。例え小さい我が子が傍で寝ていても彼の性欲は変わらない。むしろ我慢が彼のストレスで負担。変わらないからこそ、負担になるからこそ、大事に受け止めてあげなきゃいけない。  そうだとわかっている。  わかっていた。  それでも、それでも。  ――泣いている心がどうしようもなくあった  触れたい時はある。  でもそれがそのまま営みに繋がるのであれば私は触れて欲しくない感情が芽生えてしまった。  甘えたいときはある。  抱きしめて欲しいときがある。  ただ……ただ……それが抱きしめるで終わらない。  必ず最後がある。 「俺にもご褒美」って――……  そうして知らず知らずのうちに我慢を重ねて心の限界が来てしまった私は。  過去の夢を見てしまった。
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