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惨劇
わたしはここで神に全てを正直に告白することを誓います。
わたくしは罪深き者でございます。
わたしがまだ若かった頃のことでございます。
意地悪な叔母がわたしのアパートを訪れたときのこと、急な来訪にわたしはとてもあわてておりました。
なぜなら一人暮らしの学生の部屋ゆえ散らかし放題、キッチンも冷蔵庫もゴミ箱もリビングのテーブルの上も、机の上は当然のことながら様々なもので溢れ紙コップ一つを置くスペースがないほど散らかっていたのです。
さてそんな状態のアパートを偵察でもしに来たのか叔母が突然やって来ました。
わたしは叔母の威圧に耐えきれず部屋にとおしてしまいました。
悲鳴でもあげられたらとおそるおそる。
ところが平然としてしているのです。
わたしは折りたたみテーブルがあったのを思いだし、すばやくリビングに叔母を招き入れ、テーブルをこしらえました。叔母は有り難うの一つも言わず憮然としてその前に座りました。客人にお茶でも出せと言わんばかりに。
さて、わたしは冷蔵庫の上にスーパーで買ったお茶っ葉があるのを思いだしました。
わたしはお湯を沸かし、急須にお茶っ葉を素早く入れると、客人にお茶を入れて差し上げたのでした。
叔母は一通り偵察ができたのか、満足した様子で帰って行きました。
また親戚中にああのこうのとこの部屋のことを言いふらすに違いありません。
わたしは一刻でも早くこの現場をかたづけようとしました。
そのときでした。
急須の蓋を開けたらお茶っ葉の中になにか白い物が見えるのです。
なんだろうと思ったら
勇気がない人はここから先は読まない方が良いと思います。
もし読まれるのであれば自己責任でお願いします。
な、なんととても小さな米粒ぐらいの幼虫が複数茹で上がっていたのです。
わたしは顔面蒼白となり、お茶っ葉が入っていた袋の中を覗いたら米粒サイズのモスラが蠢いていたのです!!
こやつらはコクゾウムシの幼虫でした。まちがいありません。
わたしは速攻で封をしてお茶っ葉を破棄。
このことは決して一生口外しまいと心に誓ったのです。
※これはフィクションです。
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