6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ドッペル虫に関しては未だ詳細は分からず、WHOを中心に、撲滅に向けて更なる研究と解明を進めており――」
まぁ、少なくとも、私にとってはどうでもいいことだけど。
「ね、そうでしょ?」
頭の中で喚き続ける『ワタシ』に向けて、言葉を投げかけた。
助けて。
出して。
お願いだから。
死にたくない。
消えたくない。
「…………はぁ」
呆れるあまり、溜め息がこぼれ出た。
本当に馬鹿な生き物だ。私がさっき、あの時の『私』になりきって考えてみたことを、本気で望んでたくせに。
「無理だよ。だって、『アナタ』はもう『私』じゃないんだから」
最初のコメントを投稿しよう!