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背中に葛城の唇が触れると、晴香は小さな悲鳴を上げる。舌が這い、時折きつく吸い付かれ、背中に所有の証を刻まれていると理解すれば思考はグズグズと溶けていく。
「わ……わかりません」
「なんだよ? 自分の考えだろ?」
「んッ……も、せんぱいのせいで……なに考えてたのかわかんなくなりました!」
「それでいい。お前は余計なこと考えるな。ロクなことにならねえし、そもそも考え自体が大間違いってオチになる」
「それはそうかもですけど!」
「考えてもいいけど、一人で結論だけは出すなよ。絶対に俺に確認しろ。ちゃんと全部説明するから」
背中に唇を這わせながら、葛城は腰を掴んだ手で晴香の両膝を閉じさせる。
「とにかく今は俺にやらしいことされて気持ちいい、ってのだけ覚えてろ」
「せんぱい、ちょ、これ」
「しっかり膝閉じてろよ晴香」
膝の間に熱の塊が押し込まれる。少しの間があったにせよ、達した直後の体で、さらには弄られた感覚がまだ残っていた秘所を擦られては堪らない。晴香は再び啼き始める。
「晴香、ちゃんと閉じとかないとそれこそうっかり入るぞ」
「やッ、だっ、て、これ……、あ、あアアッ!」
花芯を穿つ様に腰を動かされ、ただでさえ膝から力が抜けそうであるというのに、もう片方の手が腹から鳩尾を撫でながら胸へと動き、揺れる乳房を揉みしだく。すでに固くなっている先端を親指と人差し指で扱かれると、晴香の声はさらに高くなった。
いくら壁が厚いとはいえこれ以上は無理だと晴香は枕を必死に手繰り寄せ顔を埋める。隣りに聞こえるかもしれないというのもあるが、なによりもこの甘ったるい声を葛城に聞かれるのが恥ずかしい。
「なんだよ晴香、今更声聞かれんのが恥ずかしくなった?」
耳朶を舐め、そっと歯を立てながら葛城がさらに羞恥を煽ってくる。この鬼! 変態!! と叫びたいがその余裕すら晴香には残っていない。せめてこの思いだけでもと横目で睨み付ければ、欲に目をギラつかせながらも口元は余裕の笑みを湛えた男の色気に完膚なきまでに叩きのめされる。
擦り上げられる箇所がキュンと疼く。それが伝わったのか葛城の浮かべる笑みがさらに増し、晴香の腰を支えていた腕が下へと動く。
「ああああッ!?」
花芯まで指で弄られてしまえばもうどうしようもできない。パン、と体の奥から強烈なまでの快楽が弾け、晴香はベッドの上に倒れ込んだ。
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