二回目の金曜日・2

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 ズルリと指が引き抜かれる感覚に晴香は意識を取り戻した。背中にもひんやりとしたシーツの感触があり、いつの間にか仰向けに寝かされている。ぼんやりとしたまま視線を動かせば、葛城が自分の指に舌を這わせている姿が目に入った。傍目から見ても濡れそぼった指二本。それはつい先程まで自分のナカで蠢いていた物ではなかっただろうか。  飛び出そうになった叫びをどうにか飲み込むと喉が大きな音を立てた。その音に葛城は晴香が目覚めた事に気付く。薄く笑みを浮かべる姿がとても艶やかで、そして腹立たしくて堪らない。 「軽く飛んでたみたいだけど大丈夫か?」  だってあんなにされたら、とか、いくらなんでももう少し手加減してくれたって、などと言いたい事は山ほどあれど、どれも全部羞恥の塊となって自分に返ってくるので晴香は無言で頷くだけに止まる。目付きが鋭くなるのはまあ仕方が無い。 「……お前これで終わりって思ってるっぽいけどまだだからな?」  え、と晴香が思う間もなく葛城が身を沈める。晴香の両足を持ち上げ左右に大きく広げるとそのまま顔を脚の付け根へ埋めた。 「やああああッ!!」  脚を広げた腕は今度は晴香の腰に回り、上へ逃げようとするのを阻害する。舌で花弁をなぞりながらゆっくりと奥へ進む。蜜を掬う様に舌先を動かし、ナカから溢れてきた蜜を音を立てて啜ると、その音にまた晴香の体は反応し、蜜を零しながら葛城の舌を締め付けてしまう。  最早声を抑える事などできない。晴香は短い喘ぎを立て続けに幾度も上げる。葛城は舌の代わりに指を二本入れ、晴香の声に合わせる様に指を動かす。晴香がナカで感じそうな場所を探りつつ、徐々に指を広げて入り口を解していく。蜜をたっぷり絡めた舌先で花芯を舐めると、晴香はより一層の反応を示した。啜り泣きにも聞こえる喘ぎ声に、葛城の欲は限界まで刺激されるが、それでもまだ駄目だと懸命に己に言い聞かせ、ひたすら晴香を解す事に専念する。 「気持ちいいなら口にしろ。その方がラクになる」  溢れる蜜の量に合わせ三本目の指が入った。圧迫感に少しばかり身を固くしたものの、すぐにまた快楽に晴香の体が揺れる。  もうずっと気持ちいいのが続いていて、それが何故だかとても辛い。気持ちよすぎて辛いなんて。  先輩の言う通り、口にしたらラクになれるのだろうか――  熱に浮かされた視界で葛城を見れば、言ってみろと目が命じている。先輩が言うならそうなんだな、と晴香はゆっくりと口を開いた。 「……きもち、い、い……で、す」  喘ぐ合間に零れた声は小さな物であったけれど、葛城の鼓膜を揺らすには充分だった。 「今からもっと気持ちよくするから、その時はちゃんと言ってくれ」  これ以上、と晴香は葛城の言葉に驚くがすぐさまそれを実感する。三本の指がバラバラに動いて新たな刺激が生まれる。その内の一本は花芯を内側から外へ向けて押す様に動き、それを今度は舌先が外から内へを押さえながら舐めては吸い付く。内と外、両方から与えられる快感はこれまでと比べようもなく、晴香は腰から背中にかけて大きく体を反らせた。  一度口にしたことで「きもちいい」という言葉も止まらない。喘ぎ、啼き、幾度も絶頂を迎えながらも同じ言葉を繰り返せば、一際強く花芯を吸い付けられた。きつく閉じた瞼の裏がチカチカと点滅する。全身を仰け反らせた暫し硬直するが、次の瞬間糸が切れた様に晴香の体はベッドに沈んだ。
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