それでいいの?

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目が覚めると、ベランダから朝の柔らかな日差しが入ってきていた。ひんやりした部屋の中で、朝日が当たる部分だけが温もりを持っているように見える。私は上体を起こし、グッと伸びをする。 部屋の壁を見ると、カレンダーが11月のままであることに気づいた。今日から12月、一枚めくらないといけない。 月が変わってカレンダーをめくるのが、私は小さい頃から好きだった。新しい月、新しいページ、それだけで何だか新しい自分に生まれ変わったような気がするのだ。 私はベッドから立ち上がり、11月のカレンダーを丁寧にめくる。現れた12月のカレンダー、真っ赤なポインセチアがたくさん咲き並ぶ写真があった。そして、12月1日、今日の日付には、赤い丸がつけられていた。そう、今日は、私にとって待ち望んだ日、篠木小説新人賞の発表日なのだ。
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