不機嫌

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不機嫌

――その後、司からの電話が何件かあった。でも俺は電話に出ずにそのままスルーした。 留守番電話には、一件メッセージがあった。感情にフタをすると、俺はそれを聞かずに無言で消去した。この何日間、司からの連絡は一切なかったのに、こんな時に限ってアイツは連絡してくる。そのお調子ぶりに腹が立った。  どうせなら毎日連絡しろ!!  溜まっていた不満が爆発すると心の中で司に愚痴をこぼした。そして、雑誌の撮影中に、俺の顔には笑顔がほどんどなかった。あんな事があったんだ。頭の中を簡単に切り替えられる程、俺はそんなに出来た人間でもなかった。気持ちが昂ると掌をぎゅっと握った。  電話にでたあの女は、一体誰なんだ……!?  頭の中を悶々とさせながら感情を押し殺すと、その日の撮影を終えた。どうせさっきかかってきた電話も苦し紛れの言い訳かも知れない。  そんないいわけ誰が聞くか…――!  怒りで我を忘れると、怒ったまま衣装室に戻った。そして、目の前にあったごみ箱を蹴っ飛ばして怒りをぶつけた。 「――司のヤツ、日本に帰ってきたら絶対とっちめてやるっつ!!」  俺は不機嫌になりながらその事を思った。
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