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このままではマズイと思い、とっさに抵抗した。
「ちょっ、たんま…! 待てよ司…!」
「いいや待たないぞ! 俺は今、野獣だ! そして、お前は美女だ! クリスマスの聖夜に、美女と野獣は燃えるようなコンセプトだろ!?」
司は荒々しくその事を話すと再び体を触ってきた。
『待てって言ってるだろ、おすわり!』
俺は慌てると、とっさに命令をした。すると司は、素直にやめた。
「何だよ? 今さら照れてるのか~? それとも俺のことを焦らしてる?」
司はエロい顔になりながらそう言ってきた。俺は、顔を赤くすると彼の頭を軽くペチンと叩いた。
「お前ってマジで野獣だな! 今日はクリスマスなんだぞ!? ちょっとは恋人らしく、イカしたようなムードくらい作れよ!」
「なに?」
「それに……!」
「それに何だよ?」
そこで言葉を詰まらすと、司はニヤニヤした顔で笑ってきた。その顔に思わず大きな声で言い放った。
「そ、それにここ玄関だし…! 誰かが来たらマズイだろ…――!?」
そう言って話すと顔が一気に赤面になった。司は、その言葉を耳にすると大声で笑った。
「ぷっ! やっぱりお前かわいい~!」
司は口を手で押さえて笑うと、俺はカッとなった。
「わっ、笑うなよ…!」
「アハハッ! すまんすまん! いや、お前って結構ソコんとこ繊細だよな?」
「なんだと…!?」
「確かにここはまずいよな。よし、俺がお姫様だっこしてやる!」
司はそう言うといきなり両腕で俺を持ち上げた。
「おっ、おろせよ…!?」
「一希いい加減観念しろ! お前が焦らしてくるから俺の下半身が大変なことになりかけてるぞ!?」
『そっ、そんなこと知るかーっ!!』
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