―Poison Kiss―(短編)

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「俺としたくないの?」 「ばっ、ばか…!」  俺は恥ずかしそうに言い返した。 「ここじゃヤだ…! するならベッドがいい…!」  その言葉を口にした途端、顔中が真っ赤になった。恥ずかしい気持ちで耳まで赤くなると、司はクスッと笑って話しかけてきた。 「わかってる。一希はベッドがいいんだな?」  司がそう言ってくると小さく首を頷かせた。そしてそのまま寝室に運ぶと、ベッドの上に俺を優しく下ろした。司は上着を脱ぎ捨てると俺の上に覆い被さってきた。すると途端に何かを思い出すと慌てて話した。 「あっ、ちょっとやっぱりたんま……!」 『はぁ!?』  そう言って拒絶すると司は不機嫌になった。 「するなら先にお風呂に入りたい!」 「お前なぁ、お風呂ならあとでもいいだろ?」  司は不機嫌な顔でタバコを一本咥えると、タバコにライターで火をつけた。 「お風呂に入ってからじゃなきゃ嫌だ!」 「あのなぁ……!」  俺はベッドから立ち上がると、タンスから服を取り出して風呂の準備を始めた。 『お前はドラえもんに出てくるしずかちゃんか!?』  呆れた表情でツッコミを入れてくると、俺は真顔で言い返した。 「だって洗わないと気になる…! 一時間したら出てくるから待ってて……!」  俺は急ぎ足で着替えの服を持った。そしてそのまま風呂場に直行した。
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