司と一希。

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 そいつは同じ事務所の子だった。  俺は、何故かそいつが怖かった。  いつか蹴落とされる。  そんな嫌な予感がしていた。  俺は頂点の上から転がり落ちる恐怖に、毎日悩まされた。起きていても寝ていても、頭の中に浮かぶのはいつもそれだった。  "脚光は過去の栄光に。"モデルの世界は、華やかで短いものだなんて事務所の先輩が俺に言ってたけど、やっぱりその通りだと感じ始めた。 そして、『南瀬リョウ』と言う商品はあっけなく終わりを迎えた。俺が色々と悩んでいる最中に気がつけば他の子がスーパーモデルの座についていた。そして、俺はスーパーモデルの座から見事に転落した――。
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