恋人との甘い時間

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恋人との甘い時間

 寝室に入るとベッドの前でキスをした。久しぶりのキスの感触に俺の心臓は司の前で高鳴った。はじめは軽く、そして今度は深く。キスは甘い様でタバコの味もした。目の前のベッドには、白いシーツが敷かれていた。司は俺の事を焦らすように意地悪なキスを続けた。彼は俺よりも年上なのでキスも上手かった。それこそ、そんなキスを一体どこで覚えたのか聞いてみたいくらいに司とのキスは俺の頭の中を甘く溶かした。  キスで焦らされると体は急に熱くなった。部屋が暑いのか、それとも俺の体の体温が熱いのか? 12月なのに部屋の中で寒さを感じないくらい、身体は熱く火照った。たまに深いキスをしてくると体が反応して声が部屋の中で漏れた。司はようやくキスをやめると、俺の顔を見て頭をそっと手で顔を撫でてきた――。 「ただいま一希、元気にしてたか?」  司の顔を見上げながら小さく頷いて答えた。 「うん……!」  照れ隠しすると司はクスッと笑ってハニカンだ。 「だと思った。相変わらず分かりやすいなお前は」  司はそう言って話すと自分の着ているコートを脱いで椅子に被せた。その言葉に少しムッとなると、言い返した。 「わかりやすいってなんだよ……?」  少しムキになって言い返した。すると司はクスッと笑った。 「バカだな。可愛いって意味だよ――」  司はそう言うと後ろを振り向いて優しく微笑んだ。その微笑みに一瞬ドキッと胸が高鳴った。司のズルい笑顔に、俺は途端に言い返すことが出来なくなった。 「にっ、日本に帰ってくるなら一言連絡くらいくれてもいいのに…! そしたら空港まで、迎えに行ってやったのにさ…――!」  そう言って彼の前で、いじけて見せた。司は自分が着ているYシャツのネクタイを少し緩めるとあっさりと言ってきた。 「それはダメだ!」 「なっ、なんでだよ……!?」  思わず聞き返すと司はジッと俺の顔を見てきた。 「おまえが迎えにきたら、そのまま2人でラブホに直行するだろ?」  その言葉に顔が一気に真っ赤になった。
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