アンガー テイカー

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人類はほぼ怒らなくなった。 人体を乾電池のように扱う政府に不満こそあれ、 その怒りすら代替エネルギーにされてはたまったものではない。 犯罪はむしろ巧妙に増加傾向にあった。 政府に対する不満、怒りを抑えるというストレス、 それを逆手に取った炎上商法まで出てきた。 怒られること自体がほぼ無くなったことで、 生産性は落ち、GDPも極端に低下した。 ムーディーズやS&Pの格付けもC以下に低下したが、 それはあらゆる国家でも同様のことが起きているため、 世界経済自体が混沌としていた。 上記を踏まえ、政府は怒ることによる強制収容を解除した。 人々の不満は一気に爆発し、 世界各地でデモが起こり、暴力的な犯罪も増加、 さらなる争いを生んだ。 死傷者が出ても尚、嬉々としていたのは他の誰でもない……。
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