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人類は、いろんなエネルギーを利用し尽くしてきた。
火力・水力・風力・原子力…
あらゆる分野でエネルギーを喰らいつくす、
バンパイアのような存在になりつつある。
そして増えすぎた人口によってそれはますます圧迫され、
エネルギーそのものの供給は非常に困難なものとなり、
電気も燃料も高騰。いまでは一部の富裕層だけが、
いわゆる一般的な生活が営める状態だ。
では、その他はどうなっているのか。
太陽光で賄えるものはまだいい方で、
それ以外は、自らの運動エネルギーによって電力を、
動物性の脂質で燃料を、文明こそあれ、
まるで遥か昔の生活をしているようなものが大半である。
そこで、政府は新たな代替えエネルギーを考案した。
【国民保管エネルギー法案】だ。
全人類に蓄電システムを搭載し、
人の持つ微量な電力を回収するというのが主な目的で、
全国民に搭載することを義務付け、
同時に国民自体をID化し、把握することもできるようになった。
もちろん、簡単に取り外されることのないように、
最新のナノマシンによって、脳内に埋め込まれた。
いままで散々ポイント付与など行っていた政策が馬鹿馬鹿しいほど、
簡単に管理できるようになったのだ。
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