64人が本棚に入れています
本棚に追加
「やばくないですか!? こんな陽のイケメンが神田さんと話題合ってるとか! 前代未聞ですよ! 今までイケメン枠はマキさんしかいなかったから、目の保養だわ〜。しかもマキさん、どっちかというと退廃的でヒモ臭のする陰属性だし、タイプも被ってなくて最高」
「里奈ちゃーん、それ褒めてる?」
そうこうしている間に、遥は神田と里奈から今日の交流会への参加も強く勧められて、参加者名簿に名前を書かされている。
「別に無理して今日来なくてもいいんだぞ」
「ううん、元々参加するつもりだったから」
と、遥は言うが神田と里奈が必死になって参加させようという気持ちもわかる。ほぼ遥がいたら、興味本位で来た女の子たちが相当入部しそうだ。
「中野……はるか、っていうの?」
名簿を見て、神田が黒縁眼鏡をおさえながら怪訝な顔で言う。
「はい、そうです。女の子みたいな名前なんでよく驚かれます」
「いやいや、でも合ってるよ! 綺麗めイケメンだし、まじでこの顔と名前でテレビ出てても驚かないわ。そうそう、飲み会の前に空き教室で上映会もやるんだけど、中野くん来るよね?」
「上映会?」
里奈は親指をぐっと突き立てる。
「部員が撮った映画を流すんだよっ。今日はあたしが去年撮ったやつ! なんとマキさん主演!」
「えっ、見たい!」
槙人の顔が引きつる。里奈の映画と聞いて嫌な予感しかしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!