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大学一年生の冬には、世界有数の古書店街である、東京の神田神保町でデートする。
神保町では、絶版の掘り出し物の本が見つかることもあり、宝探しのような気分になる。
陽光も果恋も理系なので、SFを比較的よく読んでいた。
神保町でSFを扱っている有名な古書店はいくつかあり、陽光は二件目に入った古書店で絶版の三十一巻もののデュマレストサーガという小説が全巻そろって売られているのを見つける。
正確には、SFというよりは、スペースオペラという未来を舞台にした冒険活劇のジャンルの物語である。
「今まで、見かけたら一巻ずつ買っていたけど、これは全巻そろってる。状態も悪くない。うん。よし、買おう」
「わたしもこの物語を少し読んだことがあるけど、孤高の主人公に惹かれるね。良い掘り出し物が見つかったね」
ふたりは、神保町にたくさんの本が集まってくるのだなと感じていた。
その後もいろいろなところでデートをして、幸せな一年間はあっという間に過ぎていった。
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