前話 火炎祭前夜

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前話 火炎祭前夜

 私はしがない町人ラング。頭を抱えている、問題がせっぱつまっており、山積みの課題に何故で苦しんでいた。今は夜、明日の朝には決まる。  事の発端は、どうせ選ばれないだろうと、前日に手を挙げたのだ、所が大臣が僕を指名したのが発端だ。  この町は約1万名、若干満たない位だ、炎の信仰に厚い国、国の祭である1つに火炎祭と言うのがある。  町の中央に大きな組み木をして、盛大なたき火をやるのが火炎祭だ。今年一年の願いを松明に書くと、願いが成就されると言われる火炎祭。  その松明を用意するのが、今回の僕の仕事になったのだ、どうせ指名されることはないだろうと気軽に手を挙げたのが、頭を悩ませる事の始まりだった。  なにせ何もない所からのスタートだった、とりあえず20名のアルバイトを雇った。国の祭なので、なんとか人員を集める事は出来た。  現在1万本の松明の半分に届きそうな時、僕の計算間違いか、松明に必要な材料全てを不足をまねいており、この通り頭を抱える事態となった。  人手は足りている、朝まで半日。夜が明けるまでに松明を作り終えること。松明を構成する木材も、ロープも、布も、油もない。  王国の前金には手をつけたくないが、使って失敗すれば、僕は借金を背負うだろう、そして国外追放もありうる。  もはや手段は選べない、とにかく松明5000本を作らねば、僕は打ち首になるかも知れない。頭を使うのだ。  やはり失敗の事が心をくすぶり、ぐるぐる頭は回答を探す。誰かが言っていた松明作りなんて楽勝だ。  この町での松明は、木材に布を当てロープや紐で縛り油に浸す。1本なら簡単そうに思える、しかし数を揃えるとなると、短期間でやるには一大事なのだ。  肝心の木材も、布も、ロープも、油も尽きかけている。アルバイト達は、僕を信じて作業を続けている。
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