夏祭り

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夏祭り

『こんばんは、奥井です。』 『lineありがとう!ダメかなって思ってた 笑』 『話したいことがあるって言ってたのが気になって』 『それな!7月30日、予定空いてる?』 『なんでですか?』 『夏祭り一緒にいかない?』 夏休みに入ると空は合宿、遠征と一段と忙しくて、いつ家にいるのか分からなかった。 幼なじみの祐美ちゃんにも夏祭り誘われたけれど「先輩と夏祭りにいく約束した。」と言ったら根掘り葉掘り聞かれて、男の先輩だということがバレて、なら絶対、浴衣!!!と押され、一緒に買いに行くことになった。 「ねぇーいつのまにか、そんなことになってたの?私、全然聞いてなかったんだけど」 浴衣を買って、一休みにカフェに入った。祐美ちゃんはクリームがのったワッフルを頬張っていた。 「うん、いつのまにか」 「で、それで好きとか言われたの?」 「ううん」 「でも、これって完全、告白される流れだよね。えりか、どうするの?」 「うーん、ってまだ告白されるって決まったわけじゃ」 「いや、決まってる、絶対そうだって。」 「そっか、でもそうだったら、日野先輩いい人だし、好きになれたらいいなって思う。」 「...空くんは?」 「空は兄弟だから」 「兄弟じゃなかったら?」 「空が小2のときから知ってるんだよ。変だよ。」 「私だって光輝のこと、小1から知ってるよ。でも好きは好きじゃん。」 「光輝とは、何か進展あった?」 「あ、話はぐらかしたでしょ」 「そういえば、夏祭り、祐美ちゃんは誰と行くの?」 祐美ちゃんの隣にある大きな紙袋から黄色い浴衣が覗いていた。 「ふふふ、実はね光輝と行くんだー。といっても他に何人かいるんだけどね。」 「そうなんだ、一歩前進だね!」 「でしょ!えりかが、デートなら私も負けてられないと思って、一大決心して私から誘おうと思って光輝んとこ行ったら、光輝から『永井も夏祭り行かない?』て言ってくれて。」 光輝くんは母が再婚する前に通ってた小学校の同級生で祐美ちゃんは長年、光輝くんに片思いしている。 光輝くんの話をすると、楽しそうに話す祐美ちゃんが可愛かった。 「あ、結局、私ばっか喋っちゃったじゃん。」 「あは、そんなことないよ」 「ま、とりあえずお互い健闘を祈って」 「「おー」」 「じゃあ、またね。報告連絡相談、ほうれんそう、宜しくね!」
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