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唯菜の怒り
理斗の住まいで唯菜が見知らぬ女性を見た翌週の日曜日、唯菜は理斗を自分が住んでいる街の公園に呼び出した。高いビルに囲まれた小さな公園。天気は曇っていて暗い印象に拍車をかけていた。
「あのさぁ、理斗。腕時計は返すわ。他に好きな人がいるのでしょう?」
理斗はまゆみのことだと察して、
「えっと、先週、僕の住まいにいる女性を見たんだね。女性も含めてきちんと説明するから、来週の水曜日に僕と一緒に行ってほしいところがある。ちょうど仕事も定時であがれると思うから」
「……ええ、分かったわ。のぞむところよ」
唯菜は理斗をにらんだ。
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