わんわん探偵団 第二章

15/22
前へ
/22ページ
次へ
「お嫁さんに任意同行を求めよう」 和辻警部はそう言うと、お嫁さんに所轄の警察署まで同行して欲しいと演技をした。 取り調べに応じた和辻警部演じるお嫁さんは、観念したのか質問にも素直に応じた。 勿論これは警部の演技によるやり取りである。 「夫の浮気相手が産んだ子なんです」 「長女さんですか?」 「ええ、だから悔しくて殺してやりたかった」 「大谷家の財産が目的で長女を殺害したのではないのか?」 「勿論、財産は長男である私の息子に継がせたかった。 私の実家は播磨の加茂郡にあって由緒正しい加茂一族の出身なのです。だから伊豆加茂郡の大谷家に伝わる財産、加茂一族の財宝を継ぐのには、私の息子が相応し。そう思っていました。でも、あのバカ夫が外に女を作って子供まで生まれてしまって、、、」 「動機は分かりました」 「加茂一族の財宝って、何なのら?」 「加茂一族の血を引く安倍晴明の子孫、ツチグモ一族の財宝だと聞いております」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加