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源一は考え込んでいた。
16年生きてきて初めてのデートに、胸が高鳴って仕方がなかった。
明日のデートコースの順路の復習やら、話しかける言葉などをしっかりとノートに書き込んでいるのだが、どうしても安心できない。
ついには一人二役でひとり芝居なども始めた。
五時間後、日付はデート当日になろうとしていた。
源一は明日のデートの相手の梨々花に電話をした。
『…あ、源一君…』と梨々花の恥ずかしそうな声がスマートフォンから聞こえた。
源一は、「…今まで、本当にありがとう…」と感情を込めて言った。
「…えっ…」
棺桶に入るところまでの予行演習を終えていた源一は、精も根も尽き果てて燃え尽きていた。
~~ おわり ~~
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