第17話 帰る場所

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「……ありがとうございます」 高也とお正月を一緒に過ごせることが夢みたいだった。 私でさえ、そんな気持ちなんだから高也はそれ以上だと思う。 いつもの年よりものんびりお節を食べていたら、お昼近くになっていた。 「後片付けは私がやるから、二人で初詣に行ってきたら?」 「近所の神社なら、散歩がてらに行けるだろう」 食べすぎたから、ちょうどよかったし、高也は近所を歩きたいかなと思い、コートを手にした。 二人で外に出ると、ちらちらと白い雪が降っていた。 「わー! 雪だね。明日、お父さんとお母さんくるのに。飛行機、大丈夫かなあ」 「これくらいなら積もらないと思うぞ」 「そっか」 手を繋ぎ、石段を上がる。 「懐かしいな。捨てられていた俺を佳穂が拾った神社だ」 「そうだったね。神様が高也と会わせてくれたのかもね」 「なら、しっかりお礼をしておくか」 賽銭箱に硬貨を投げ入れると、乾いた音がした。 ぱんぱんっと手を叩いて目を閉じた。 神様。高也と私を出会わせてくれて、ありがとうございました。 そして、どうか。 高也とずっと一緒にいれますように――― 【2章 了】
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