泡のように消えちゃったね

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・ ・ ・ 人生最大のショックからおよそ一年という月日が経った。 なおくんとの思い出を振り返っていたら、また泣いていたみたい。枕が濡れて、肌に当たる感覚が気持ち悪い。 気がつけば、時計の長針はぐるりと一周している。 今日はせっかくのハレの日なのに、ここ最近ずっとわたしの心はどんより沈んだ雨模様が続いている。 その理由はわかってる。 今日、なおくんは美羽さんと結婚式を挙げる。 学校では平気な顔で笑っていたけれど、あの日からうじうじと悩み続けてた。隣の家を見れば、部屋にいれば、嫌でもなおくんとの思い出が色鮮やかに脳裏に浮かんでくる。 なおくんは、わたしの一部だから。 だけど、嘘でも何でもいいから、適当に理由を見つけては、なおくんと話さないように避けていた。 美羽さんにも申し訳ないし、顔を見たら泣いちゃいそうだった。なおくんのばかって、責めてしまいそうだった。 (でも今日は、なおくんに伝えたいことがあるんだ) 予約してある美容院の時間までに泣き腫らした目をどうにかしようと思い、もぞりとベッドから起き上がる。瞼だけじゃなくて、身体も重だるい。 休日だけど、午後にはなおくんと美羽さんの結婚式がある。久しぶりに会うのだから、少しでもましな自分でなおくんの前に立ちたかった。
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