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雅楽の演奏の中、私と冬悟さんの神社での式が挙げられた。
『馬子にも衣裳』なんて竜江さんから言われたけど、白無垢姿は好評で―――
『羽花ちゃんは着物が一番似合うね』
『うんうん、おとなっぽい』
『白無垢姿をみると成長したなぁって思うねぇ』
なんて周りから褒められた。
悪い気はしなかったけど、洋服の私の印象について、ちょっと問い詰めたい気持ちにはなった。
そして、祝詞をあげてもらい、雰囲気は一気に厳かな空気に。
緊張感でいっぱいの私。
けれど、一番ドキドキしたのは三三九度ではなく―――
親族固めの盃の時だった。
嶋倉側の威圧感ときたら、ヤクザオーラがにじみでていて、まったく隠しきれていなかった。
まず仙崎さんが親代わりとして並んだのがヤクザらしさに拍車をかけてしまった原因だと思う。
もう見るからに強そうで顔も怖い。
仙崎さんはいつも通りで、仙崎さんに罪はない。
うん……悪くないの。
でも、お祝いムードでわいわいしていた柳屋の親戚達のテンションは一気に地に落ちた。
水を打った静けさとはまさにあんなかんじなんだろうなって……
はぁっとため息をついた。
隠しきれないヤクザ感。
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