8217人が本棚に入れています
本棚に追加
親戚の人達はもしかして、気づいちゃったんじゃないかな。
足を洗ったから、大丈夫なはずだけど、親戚達がどう出てくるか予想もつかない。
「だからさぁー!仙崎さんじゃなくて、俺がよかったと思うんだよね」
竜江さんは料亭に場所が移り、くだけた様子になるとお酒を手に近寄って来た。
「ぜってー柳屋の親戚の人達、仙崎さんにビビッてたよな?」
すでにほろ酔いらしく、いつもの軽さに増して、さらにふわふわと軽くなっていた。
それなのにまだ飲むのか、竜江さんはお酒を注ぎだしていた。
「仙崎さんだけが威圧感あるみたいな言い方はやめてください」
威圧感があるのは周りの人もですからね?
竜江さんは気づいてないみたいだけど、あなたもですからっ!
確かに今の竜江さんは人あたりのいい雰囲気を見せている。
でも、ヤクザモードに切り替わった竜江さんはけっこう怖い。
ケンカだって強いし。
そういえば、竜江さんに彼女っているのかな。
ちょっと聞いてみたい。
ふわふわ状態の竜江さんなら、教えてくれるかも。
そう思って話しかけようとした時―――
「俺達の時は絶対に仙崎さんには……」
最初のコメントを投稿しよう!