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『突然だけど、二十三日の夕方。 時間空けといてほしいんだけど、いけるか?』
お風呂上がりに彼からRINEが入っていることに気がついた。
『え、なに、どうしたの? 夕方?』
ウサギさんが驚いた顔でハテナを飛ばしているスタンプと共に返すと、即既読がついて返信がきた。
『近くのショッピングモールで、一緒に飯食おう。 俺の母さんから、お前んとこのおばさんにも話がいってるはずだから』
なになに、話は既に親を巻き込んでます?! 何事! とりあえず、ウサギさんに思いを託す。 これこれ、「なんですとー?!」スタンプ。
『俺んとこ、二十四日の終業式終わったら即行で、田舎に帰ることになったんだ。 正月にはこっちにいてるけど、クリスマスは田舎で過ごすんだよ』
ああ……なるほど。 事情を聞いたら納得出来た。 それゆえに、彼が動いてくれたのか。 そういうところ、律儀だからなあ。
思いの丈はやはりウサギさんに語ってもらうことにした。 「OK! 楽しみ☆」
よくよく考えたら、……あらやだクリスマスデートじゃないですか?! しかもディナーつき! これは……めかし込んで気合い入れていくしかないんじゃね? ってヤツなのでは……!
そこに再び、RINE受信。
『悪いんだけどプレゼント選んでる余裕がなかったから、一緒に見てもらえるか』
おお……さらになるほど。 ふふふ……そうか、そうきましたか。 こちらはチミに渡すプレゼントは、既に用意していたんだがね……はい、分かった、これはなかったことにする。 後で気を遣わせるのも申し訳ない。
二十三日は、クリスマス・イブ前夜、なんだか響きだけは素敵ではないか! (イコール平日という事実にはこの際目を瞑る)
彼にはウサギさんで返しておいた。「ブラボ―――♡♡♡」
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