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そして二十三日。 野球部の冬期練習は二十八日まであるけど、自分は田舎に帰るゆえに今日がラストだ。
あいつと一緒に帰りたかったけれど、遅くなりそうだったので先に帰るように言っておいた。 あいついわく、「オシャレして行くからちょうどいいよ」と。 ……なんだかハードルが上がってしまった……!
本日で野球部引退の中三の女子マネージャーに、体調管理はしっかりするように再三言われた。 ご馳走食べ過ぎて食っちゃ寝してたら駄目だぞ! みたいな。 自分、そんなに自己管理出来ないように思われてるのかなあ。 たしかにストイックではないけれど……。
よいお年を、と言われたから、受験勉強頑張ってくださいね、と返したら赤面された。 ……え、なんで?
部活終了後、疲れた体を引きずって帰って、親にやいやい言われながらもダッシュでシャワーを浴びる。 服は……自分の中では一張羅を選んだ。 黒のマウンテンパーカーに、白のタートルネックセーターに、デニムのスキニーパンツ。 とりあえず外しはしてないだろう。
『準備出来たよ! そっちはどう?』
着替え終わって鞄の準備をしていたら、ちょうどあいつからのRINEがきた。
『もう出られるぞ。 よっしゃ行くか』
ついに、クリスマスデートへの第一歩を踏み出す―――!
「あ、ちょい待ち」
玄関にて意気揚々と靴を履いていると、母が声をかけてきた。 そして伝言だと言って、二、三ボソボソと言付かった。
「楽しんで来なさいね。 ……羽目を外しすぎないように」
「分かってるって。 行ってきます!」
母からすれば、自分はいつまでも子供なんだろうなあ、なんて思った。 それでも、折角恋人が出来た息子のクリスマスを後押ししてくれる母には、結構感謝している。 ……なんか買ってこようかなぁ。 お金に余裕があったら。
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