彼氏くんと彼女ちゃんの話 7

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***** 「うわぁ……私服可愛いじゃん、ちょっとびっくりした……」 ふおぉお! デート真っ先にそのセリフがちゃんと出るんですかチミは?! 私、心臓持つのか?! これでも帰宅後鏡の前で一時間近くファッションショー状態だったから……! デート後の部屋の惨状は、今は考えないでおこう。 クリスマスだからということで、明るい赤のオフタートルのセーターに白のチェスターコート、光沢のあるダークグレーのチュールスカート。 後はアクセサリーや小物類を色々と頑張った……! 自分にはこれっくらいが精一杯でござりまする。 現在時間は六時半……九時には帰れ、とのことなのであまり時間もない。 「行こうか」 彼が言うから、うん、と頷いて歩き出す。 ……あらら、どうしましょ、柄でもなくちょっとドキドキしてしまって、何を話していいのやら……。 「……。 おい、緊張してんのか? 行き先は『二十日 三十日 五%オフ♪』のところなんだぞ」 「そうだけど! むー……だってなんか嬉しいっていうか、恥ずかしいっていうか……」 顔が火照って赤くなってるのが分かる。 くそぅイケメンめ、なんだか負けた気がするじゃないか。 「そっか……じゃあ、もうこれ以上。 手ぇ繋ごうか、とか言わないほうがいいな」 「なな、なんですとー?!」 彼が楽しそうに歯を見せて笑っている。 なんだか悔しいので、彼の顔を見ずに先に彼の手を取って歩き出す。 「ほら、行こう! シンデレラは二時間半で魔法が解けちゃうんだから」 「おいおい……自分で自分をシンデレラとか言うなよ」 もーう、いつも通り慣れてる道なのに。 彼と一緒で、今がデートというだけで。 なんだか全然違って感じられるから、不思議。
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