彼氏くんと彼女ちゃんの話 7

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***** ショッピングモールに着くと、まずは腹ごしらえから。 ちょっとお洒落なバイキングの店に入った。 店内もさほど混んでいなかったし、何より店内がクリスマス一色に飾り付けられていて、否が応でも特別な心持ちになる。 というかこいつ、びっくりすることに案外些細なことに気がつくのだ。 お茶を準備してくれていたり、実演販売のところに先に並んでおいてくれたり。 そして何より、盛られた皿が綺麗にまとまっている。 好きな物ばかり取ってるくせに、取り方が上手い。 ……一緒にいて心地いい、これは大事なことだ。 でも一番は……。 「あらら! 美味し―――い! こうまったりとした味わいとコクが……!」 これ。 食レポは下手くそだけど、食べてる時の幸せそうな顔が、めちゃくちゃ可愛い。 自分としては、この顔が見られただけでも来た甲斐があった。 「これ美味しいよ、食べた? ……ほぉ?! それ何! え、そんなのあったんだー、次取ってくる!」 なんというか……近くにいてくれてるのをずっと見ていたい、眺めていたいというか……。 いやいや、ちょっと待て、今……結構思考がアレな方向にいった……! ここは『近所のショッピングモール』だということを忘れてはいけない……! でも、数年後。 もう少し大人になったら、もう少し雰囲気のある場所なんかにでも……行きたいな、なんて。 目前のご馳走に顔面とろけている彼女を見ながら、そんなことを考えていた。 「待って待って、デザートも食べるー! ケーキっても小さいから全制覇したい! コーヒーも飲みたい!」 「……。 好きにしろ」
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