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バイキングの店を出てから、彼は真っ先に尋ねてきた。
「で、プレゼントってどんなのが欲しいんだ?」
「ん~……あのね、なんでもいいの。 私の事を考えて、何を買ってくれたのかなってのを見るのが楽しいの。 仮に思いがこもってるなら、うまうま棒十本セットだって構わないの」
伝わるかなあ。 欲しいものを買ってあげたい、と思ってくれるのは嬉しい。 でも、プレゼントがハズレであってもそれは構わない、自分が知らない物をプレゼントされたいのだ。
「……俺のほうが女々しいんかな……例えばだけど、なんかお揃いの物でも一緒に買ったり出来たらいいかな、なんて考えてたんだけど」
それでも、彼が言うのを聞いて考え直す。 ……むむ、一理ある。 なんといっても、今宵はクリスマスデートなのだ。
「後さ、ちょっと今回母さんに段取りしてもらったから……お礼っつか。 五百円までぐらいの何か買えたらいいかな、なんて思ってたからさ、見繕って欲しいと言うか……」
あらら、この親孝行ボーイめ、……むむむ、プレゼントを見繕うのって楽しそう……。
たまには自分の考え方とは違う、そういうプレゼント交換というのもアリかもしれない。
「……分かった、一緒に見て回ろうか! 文具がいい? 雑貨がいい? 予算どれぐらい? 服って手もありだよ」
「さすが女子……あ~……その、オススメで」
「出ーたーなー、こーの丸投げくんめ! ふふふ……私に『お揃いを買おう』などと申請してきたのは、チミのほうだということをお忘れなく……!」
「怖! ……お、お手柔らかにおなしゃす……」
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