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―――だって~……クリスマスの時はまだだったから、出来なかったしさぁプレゼント交換。 折角だから、やってみたかったんだもん―――
以前ホワイトデーに、あいつにバレンタインのお返しを渡そうとした時だ。 あいつは弟の誕生日をダシにして、プレゼントを交換しあうことを無理やり成立させた。 いや、そのプレゼント自体は菓子の詰め合わせだったから、弟にやったとはいえ二人で分けて食べたけれど。
―――……クリスマスにやったらいいだろ、そういうのは―――
そして自分は、たしかにそう答えた。
あいつは、プレゼント交換という行為に憧れがあるらしい。 そういえば、以前に誕生日プレゼントをやった時も『家宝にする』なんて言っていた。 勿論話は盛っているだろうけれど。
うぅん……これは、クリスマスプレゼント……相当に気合いをいれないといけない流れなのではないだろうか……! しかし、ふと。 ふと閃いたのだ。
デートといえば大袈裟だけど、そろそろ自分達、二人して出かけてもいいのではないか、と。 クリスマスデートと称して、クリスマスプレゼントをお互いに選び合ったらどうだろう。 気負うことはない、近くにリーズナブルなショッピングモールがある。
ネットにて一人でプレゼントを選ぶのが苦痛だという訳では無いが、一緒に楽しい時間を過ごしたほうがより一層プレゼント交換の意義が増すだろう。
それなのに、ああそれなのに、だ。 中学生とは、決して暇ではないのだ。
まず十一月下旬までは期末テストというものが待ち構えている。 それが明けたら……なんたることか、我が野球部顧問が『冬こそ体力づくりだ!』と日頃の鬼指導をさらにパワーアップさせてきた。
結果、毎日の練習のハードっぷりが体感五割増くらいにしんどくなってしまった。 体力どころか忍耐力が鍛えられそうだ。
「だ、大丈夫? 最近めっさしんどそう……」
「あ~……悪い、歩いてて寝れそうなレベル……」
そして十二月に入れば、なんやかんやとバタバタする、さすが師走。 家に居ても、やれ大掃除を手伝えだの、さっさと年賀状を書いてしまえだの、ちゃんと机周りを綺麗にしろだの、親の干渉も増える。
……未だにあいつに、クリスマスデート計画を口に出せないでいた。 気持ちばかりが焦ってしまう。
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