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夕方、ホントに又、会いに来てくれた洋平。
しかも、ここちゃんを連れて来てくれた。
「あ〜ここちゃん!」
「ママ〜!」と抱きつく心美。
まだ、よく分かっていないから、なぜ、ずっと居ないのかな?ぐらいに思っているのだろう。
「ここちゃん、あーちゃんと、ジージと遊んでる?」
「うん、あーちゃん。ジージ。」
「お利口さんだね〜」と頭を撫でる。
「早かったね。洋平、大丈夫?少しは眠れた?」
「うん、少し寝たよ。美優は?」
「うん、蓮くんの授乳や食事以外は、とくに何もないからウトウトしてる。」
「そっかあ〜美優、退院したら、しばらくは、実家に帰るよね?」
「うん、だけど、ここちゃんの時よりは早く、家に帰ろうかなぁ?」
「そうなの?」
「うん、だって、少しずつ要らない物を仕分けて処分しないと、引っ越しの時、荷物が多そうだから…」
「そっかー早く帰って来てくれるのは、すごく嬉しいけど…カラダに負担がかからないようにね。俺も一緒にするから…」
「うん!もちろん洋平の物は、自分で仕分けてもらわないと分からないし、重い物はお願いするよ。」
「うんうん、無理して重い物なんて絶対に持っちゃだめだよ。」
「うん。」ジーっと洋平を見る美優
「ん?」
「優しいなぁ〜と思って…」
「いつもでしょう?」と、笑ってる洋平。
「ふふ。家の進行状況は?見て来たんでしょう?」
「うん。なんで分かったの?」
「だって、実家のすぐ裏なのに、見ないわけがないじゃない!洋平が…」
「ハハ、そうだよな。無事に着々と進んでるよ。形になって行くって嬉しいよなぁ〜」
「うん、そうだね。」
ベッドの上に一緒に乗る、ここちゃん。
まだ、1歳半。ママが居ないと寂しいだろうな…
帰る時、やはり「ママも…」と泣いていた。
「ママ、痛い痛いだから、治ったらすぐに帰るからね。」一緒に居られないのは、切ない…
後ろ髪を引かれる思いで、お互いバイバイする。
『あ〜早く帰りたい!』と思った。
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