出産

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夜になり、徐々に陣痛の間隔が短くなり、 そろそろかなぁ〜という頃には、やはり、 腰が怠くて… 「うう〜2回目でも、やっぱり腰はダル〜い」 と、言うと、摩ったりツボを押したりして、 痛みを和らげてくれる洋平。 看護師さんが来られて、「ご主人、立ち会われますか?」と、聞いてくださった。 「はい!いいんですか?」と嬉しそう。 「はい、もう再開されましたので…では、ご準備を…」と、服の上にエプロンのような物を着た洋平。 美優は、ここちゃんを産んだ時のことを思い出しいた。 「ここちゃんの時は、洋平、途中で眠くなって寝てたんだよね?」 「あーそうだったよなぁ、美優、もう!会社に行って!って、寝てたくせに〜って怒ってた。」 「だって、疲れてるのは分かるけど、人が痛い思いして戦ってるのに、寝てるんだもん。だから、それなら仕事に行ってくれたらイイのに…って思っちゃったよ。」 「だよな、ごめん。今日は、生まれるまで寝れないよ。お休みだし大丈夫!」 「うん、ありがとう。うぅ〜ん!」 間隔が短くなってきた。 いよいよだ。 「ご主人は、こちらへ」と美優の頭の方へ もう、子宮口は全開になっているので、 いつ生まれてもおかしくない。 医師が来られて、いよいよ出産! 陣痛の波と共に息む! 痛みを逃がしながら… 最初は、ゆっくりと、 「ヒーフー」と呼吸法を使っていたが、 美優が握る洋平の手は、更に強くなり… 「ヒッヒッフー…ウ〜ン」と、次第に赤ちゃんが 下がって来ているようだ。 美優は、2回目の出産だから、わりと要領が良くなり、息む時には、分娩台にある握り棒を握り、 身体を起こして、ほぼ座るような体勢になる方が産みやすいと、思っているので、洋平の手を離し、 棒を握り、産む体勢に入った。 洋平は、ぽか〜ん 「美優、ガンバレ!」と応援するしかなかった。 そして、医師から「はい、もう次、出るよ!」 と言われ… 「はい、息んで!」 「ウ〜〜〜ン、ハア〜〜〜」 「は〜い!生まれたよ〜」 「ハア〜ハア〜ハア〜」 ようやく洋平は、「美優〜ありがとう〜」と、 美優の手を握り、頭を撫でた。 「う〜ん」と頷く美優 『やっぱり、母はすごい!』と思った洋平 「元気な男の子ですよ〜」と、綺麗になった 息子を見せてくれる看護師さん 「可愛い〜」 「可愛いなぁ〜」 「名前考えないとね」 「うん、何個か考えてる中から顔を見て決めようと思ってたから…」 「一緒に決めような」 「うん」 7月29日になっていた。
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