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年賀状
「明けましておめでとうございます」
「もう食べていい?」
「おめでとう は?」
「おめでとうございます」
「はい、どうぞ。いただきます」
毎年1月1日は、お母さんの手作りおせちとお雑煮を家族みんなで食べる決まりだから、朝8時に起こされて、こたつにお父さん、お母さん、お姉ちゃん、私、4人で座る。
お母さんが食べていいって言ったら、食べていい。そしたらお父さんがポケットからお年玉を出して渡してくれる。
「ありがとう!」
お姉ちゃんのが多いに決まってる。わかってる。2歳しか違わないのに差をつけるなんて!もう私は4年生だし、一緒にしてくれてもいいはず!
でもそんなことは言えない。うちは親戚のうちに遊びにも行かないし、うちにも来ないから、お年玉をくれるのはお父さん(お母さんと2人分)だけ。子供にとっては1000円でもすごく重要なんだな。
お雑煮は好きじゃない。お餅が嫌いなんだ。とろとろしていて食べにくいし、いつ飲み込んだらいいかよくわからない。ゴクンってしても詰まりそうでなんか嫌い。
おせちは、昨日の夜、お母さんが唐揚げやジャガイモの揚げたの、煮物をたくさん作っていた。これは大好き!それに、昆布巻き。1つがおっきくて、昆布の中の煮干しも柔らかくておいしい。お母さんはいつもたくさん作って冷凍して、お正月が終わっても食べられるようにしてくれる。
おなか一杯になったら、毎年恒例、年賀状配りだ。
ポストに届いたのを宛名ごとに分けて配る。もちろんお父さんが一番多い。お母さんは働いてないからだいたい来ない。お姉ちゃんと私は学校のお友達から何枚かくる。私は友達少ないから10枚も来ない。
今年は何枚かな?
「これ…… 義也だ」
えー びっくり。義也からくるなんて。
「好きです」
え!宛名の裏は、きれいな空の印刷で、その右上に縦に小さく書いてあった。ちょっと… 見られたら恥ずかしいから向こうへ…
こたつから出て窓際に行き、もう1回見直したら、やっぱり「好きです」って書いてあった。
うふっ えへっ 顔がにやけるじゃん(^^♪
義也とは学校でよく話をする、普通に友達な感じ。でも私もちょっと意識してた。
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