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始業式の日、義也と顔を合わせた。
特に会話もなし。
今日は午前中で終わりだし、掃除して、帰りの会して、班で帰るだけ。
宿題はちゃんと出したし、通知票も出した。他には……
「あのさ、掃除の後でちょっと……」
「え……うん」
義也だ。急にびっくりした。周りは誰も見ていないっと。よかった。
なんだかスリルあるぅ。
掃除の時間、私は教室、義也は廊下、気になるな、義也……
「さなちゃん、ゴミ捨て行ってくれる?」
「いいよ」
友達に言われてゴミを捨てに教室を出た。ゴミ捨て場は校舎の外にある。ちょっと近道して隣の校舎の下、通っていこうっと。
タッタッタッ・・・
ん?追いかけてくる、義也だ。
「はぁはぁ、ちょっと待って。一緒に行こう」
「え?ゴミ捨てだよ」
「僕も。頼まれた」
「そう」
「うん」
「あのさ、年賀状……」
「うん」
「前から好きだったんだ」
「……」
「ごめん」
「え?」
「ごめん!」
「あ!ちょっと……」
ごめんって何?好きだったって言ってくれたのに、ごめんってなんだ?
よくわからないまま、年賀状事件は終わってしまった……
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