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急いで教室に戻った。ドキドキしている。これは走ってきたからだ。
義也… 義也…
私、義也を探してる……
あっ…… 目が合った……
恥ずかしい。
帰りの会が終わると、友達にバイバイして、急いで学校の門を出た。
義也の家は、私とは反対方向だから、門を出れば会うことはない。
こんな全力疾走したのは、運動会ぶりだな。疲れた……
家までの30分、歩きながら考えた。
「私も好きです」
「ずっと好きでした」
「気になってました」
「付き合って下さい」
??
ブツブツ……
「付き合って下さい」はないだろう。女子からは言えない。やっぱり普通に好きです、かな。
こんなこと考えている自分が不思議で仕方ない。昨日まで、自分に好きな人がいる、なんて知らなかったのに。
帰ったら手紙を書こう。
「私も好きです」と……
「ただいま」
「おかえり、沙菜?お姉ちゃん?」
「そう」
「そうって。沙菜じゃん。ちょっと隣に行ってきて」
「えー」
「お父さんのお刺身。おつりでお菓子買っていいよ」
「はーい!」
子供だ、お菓子に釣られた。
隣のスーパーに買いに出た。
私の好きなキディランド。ビスケットの裏にはチョコ。美味しいんだ!
お菓子を食べながら、手紙を書こうっと。
あ!チョコ、こぼした!もうーーー
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