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子供の付き合い方
今週はまだ体育館裏の掃除当番。この時間まで手紙は渡せなかった。
ー義也へ
私も好きです。
沙菜ー
それだけ書いて、朝からずっとスカートの左ポケットに入れたままの手紙。しわくちゃになってないかな。
「沙菜、あのさ……」
「ん?」
振り向くと義也がいた。
「え?いつから居たの?びっくりした」
「ごめん。昨日は急に手紙……」
「これ!」
私は義也の言葉を遮って、手紙を差し出した。
義也はそっと開いて……
「ありがとう!!」
そう言ってくれた。
両想いって、こんな感じなんだな。嬉しい!
「手紙の返事書くよ。明日渡すから」
「うん。私も書く」
「じゃあさ、交換日記みたいにしようよ。交換ノート。僕が明日、ノートに書いてくるよ。それを沙菜に渡す。そしたらその次、沙菜が書く」
「いいよ。いい考え!」
私たちは、交換ノートを始めることになった。
次の日義也は、水色にお花がたくさん書いてある、可愛いノートを渡してくれた。義也がこのノートをお店で買うところを想像したら、なんだか可笑しくて、でも嬉しくて笑ってしまった。
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