子供の付き合い方

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義也は家庭科も得意で、フエルトのマスコットを作ってプレゼントしてくれた。 手のひらにすっぽりおさまる薄ピンクのヘビ…… 丸っこくて、目がまん丸で、体に3本の模様がある。カバンにつけられるように紐付き。とっても可愛い。何故ヘビなのかはわからないけど、可愛くて嬉しかったから、そんなのはどうでもよかった。 私は、この宝物を、家の勉強机の「大事なもの入れ引き出し」に、大事に大事にしまった。先客は、あの年賀状だ。宝物が増えた。 交換ノートは、その日何があったか、宿題が嫌だ、とかそんなことを書いて、しばらく続いていた。でも、私が止めてしまったんだ…… 「女の子は、お客さんというのがきます。大人になるということです。 お客さんが来て、男子とあまり仲良くすると、赤ちゃんが出来てしまいます。だから、仲良くできなくなります。私はまだお客さんは来ていません」 こんなことを書いてしまった。4年生の時、女子だけ別の部屋に集まって、大人になる話を聞いた。だからそういうことを知ってはいたけど、私は6年になってもまだ来ていなくて、詳しいことなんて何も知らない。 最近、クラスの女子の間で、その話をするときは男子に解らないように「お客さん」と呼んでコソコソ話していた。その中に出てきた話を、書いてしまった…… 義也からの返事は、そうなんだね、くらいの簡単なものだったけど、私はその次に何を書いたらよいか、わからなくなってしまったんだ。 何だか恥ずかしくて、変なこと書いたなって思って…… そのまま私は返事を書くのをやめてしまった。 ノートは勉強机の本棚の一番隅っこに、恥ずかしい見せたくないものを隠すように、押し込んでしまった…… 義也は何も聞いてこなかった。 もしかしたら、私の返事をずっと待っていてくれたのかな…… 私たちは小学校を卒業した。 義也とはあのまま……あれっきり……
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