来世オークション

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「加賀武志様が  十四  高橋晴也様が  二億二千    ……という結果になりました」 「いえーいにお…………え?」  喜ぶ声をあげた加賀武志が停止した。僕も同じように全身の動きが止まっている。  聞き間違いかと思ったのだが、隣の加賀武志の様子を見るに、僕は聞き間違えてなどいないらしい。 「こちらで次のオークションに挑んでいただきます。始まるまでまだ時間がありますので……」 「ちょ、ちょーっと待ってよ二宮サン! さっきの言い間違いでしょ、逆だよね?」  渇いた笑いを浮かべながら加賀武志は言う。正直僕も同じことを思っていた。  だが二宮さんはしっかり首を振った。 「いいえ。加賀武志様が 十四。  そして、高橋晴也様が 二億二千。でございます」  変な沈黙が流れた。声すら出せず、ただ二宮さんの曇りひとつない眼鏡の縁をぼうっと眺めている。  二億、だって? 僕が? 「そ、そんなわけないだろ、俺のは何かの間違いだって!」  真っ赤な顔をした加賀武志が二宮さんに詰め寄った。 「お、俺は友達もめちゃ多いし! 彼女だって三人いて俺にメロメロだったし! 親だって好きにさせてくれてたし……!」 「いいえ、こちらに計算ミスはございません」 「そんなバカなことあるかって!!」 「ではご自分の目でお確かめください」
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