【完結】私を待っていたもの…それは…

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    今 一体、何時…? 石塚さんがくるのは7時だ…多分まだ、時間はある。 タイマーが鳴ったら、すぐに動き出そう… 料理とおつまみをすぐに温めて… 一番綺麗なお皿に並べて…  盛大に ワインとケーキでお祝いしてもらおう…31歳…  その後…沢山抱いてもらおう もう、今日はめちゃくちゃに… 何も考えられないくらいに激しく、抱いてもらおう…           こうして私は…              すべてを、失った… 当選金 …3…3…億円も …  憧れて入った会社… 仕事も… 職場の同僚も…  あんなに私を慕ってくれていた…可愛い後輩の笹山ちゃんも…すべて…  そして多分近い未来に… 彼も…         私を、待っていたもの…             それは…           孤独と               絶望  ゼロから …     いや…  マイナスだ… 沼底  どん底からの スタート              もう      スタートすら、できないかもしれない…                         昔、祖父に言われたことを、今頃になって思い出す… 『由奈…どんな境遇であっても、謙虚に生きるんだよ』       大金に目が眩んで…このことを忘れた報いだ…                 全て、自業自得…                       ピピピ…ピピピ…ピピピ…ピピピ…ピピピ…       タイマーが鳴り響く         私はもう一生、    この音を忘れることはできないだろう…                                                                 完                
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