とある少女の前夜噺。

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今夜が彼女の最後。これだけ処刑前夜が楽しいのは彼女だけだろう。 大好きだからこそのやり過ぎた行動。 それが、彼女なりの愛情表現だった。 処刑前夜。 それがワクワクするものか、それとも恐怖に震えるのか。彼女の場合前者であった。 この時 俺は思った。希望を抱いて死ぬと言うことは幸せなのだろうかと。 きっとそれは本人にしか分からないのだ。 明日、彼女を殺すのは俺だ。 以前にも、罪人に手を下したことがあるはずなのに、何故か今回ばかりは、震えてならない。この震えの原因が分からないまま彼女を殺すことを考えると 気が気ではなかった。
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