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「……じゃあ、今日は処刑前夜ってわけですね。」
口角をあげたまま、彼女がそう言った。
なぜそれほどまでに、死にたいのだろうか。なんのメリットもないだろうに。
「なんで、あの子の両親殺したと思います?」
「…は?」
突然聞いてきた。そんなもの虐待されていて助けたかったからじゃないのか?
ほかに、何がある。
「…あの子が大好きだったから。」
「何を、言ってる。」
「そのまんまですよ。あの子が大好きでたまらなかったんです。でも振り向いて貰えない。だから好感度をあげるチャンスだったんです。そしたらあの子、通報しちゃって。」
まるで、映画を見ている気分だった。そんな御伽噺みたいなことあるのかと。
聞いた話と違うこの事実を受け入れたくなかった。
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