とある少女の前夜噺。

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地下牢は薄暗いため、傍にあったロウソクに近ずいて彼女の日記帳を開いた。 そこには、牢に入れられた日のことから、ここで何を考えていたのかまで書かれていた。 __明日、ワタシは処刑されるらしい。 そんな一文で最後のページは始まっていた。 恐らくたった今書いたものだろう。 『 今日の夜、兵士さんが来て処刑を告げられた。はっきり言って、嬉しかった。あの子のために、殺してあげたのに通報しちゃって水の泡になってしまうところだった。でも、思いついたの。処刑されればあの子の注意を引けるでしょ。それで、やっと処刑の日が決まった。明日なんだって。ということは、今夜が最後になる。明日が楽しみ。 最後にあの子に会えなかったから、出来れば"ずっと愛してる。一生あなたに恋をし続けます"って伝えてほしい。』 そこで終わっていた。
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