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罪人の刃を胸に
彼の歩みは荊の道に等しい。
あれから焔はマスコミのネタに晒された。
あの爆発事件において一種の英雄扱いになった。
そのせいで行動が制限された。
裏から出ていつもの塾に通うにも何処から情報が漏れたのか何処かしらかに記者達が潜んでいた。
だから、携帯を使って連絡して「騒ぎが落ち着いたらまた来ます。それまでこれからの課題を送ってくれませんか?」と言ったら、先生は二つ返事で承諾してくれた。
だがその裏でもう一人のマスコミのネタにされている人間がいる。聖那だ。
彼女の場合は悲劇のヒロインとしてあげられ、靴箱の中にラブレターや待ち合わせの置き手紙なども沢山の送られていた。
それを真面目に受け止め、真面目に断っている。
彼女の教室に訪れようとしている男子がいれば、焔の友達が止めてくれていた。
二人きりに過ごせずにいた。
あの日の後、沈黙のまま別れた。
互いに何も言えないまま、学校生活を送れているがどうにも出来ないまま数週間が過ぎて、あっという間に体育祭や文化祭の季節になってしまった。
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