淫紋をつけられたカタブツ勇者と可愛い女魔王

18/23
56人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
 城の運営は副官がやってくれるし、魔王というだけで、なぜかこの城を離れられず、かと言って、訪問者はほとんど来ず、暇を持て余していた。 (そうだわ! 魔王を辞めればいいんだわ!)  いい考えだとリィアンは笑みを浮かべた。 「可愛い……」  つい漏れ出たダナートの言葉に、リィアンは顔を赤らめる。  その様子に、グッと心を掴まれる。 「リィアン……だよな? それなら、俺も勇者を辞める。そうしたら、ただと男と女。恋したっておかしくない」 「恋?」 「あぁ、一目惚れだ、リィアン」 「ダナート! うれしい! 私も一目惚れよ!」  喜んだリィアンがダナートに抱きついた。  柔らかな胸がむにゅっと当たった。 「うわぁっ!」  叫んだダナートに慌ててリィアンは体を離す。 「ダメだった? ごめん……」 「いや、駄目じゃない! 全然駄目じゃない! ただ、驚いただけだから!」  今度はダナートがリィアンを抱きしめた。  初めての彼からの行動に、リィアンは胸がいっぱいになる。 「ダナート、好き」 「あぁ、俺もだ、リィアン」  見つめ合った二人は唇を合わせた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!