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リィアンは副官に言われて、人差し指でツンツンと触ってみた。
ビクンッと揺れて、彼女の方もびっくりして、手を引っ込めた。
「クソッ! こんな辱め……。こ、殺せ!」
「だから、殺さないってば。触手ちゃんが気持ちよくしてくれるんだって」
よかったねとでも言うように、リィアンがにっこり笑った。
(くっそーっ、好みすぎる……!)
ダナートは心の中で悶えた。
「勇者を気持ちよくするのは、私でなく魔王様ですよ?」
「え? 私?」
キョトンとするリィアン。
うっかり彼女に気持ちよくされている姿を想像してしまって、ダナートはますます猛ってしまった。
「ふざけるな! 魔王なんかに汚されてたまるか!」
恥辱のあまりダナートが叫ぶと、副官の様子がガラッと変わった。
赤オレンジだった色が一瞬で青くなり、凍える冷気を纏った。
「なんか? 汚す?」
底冷えのするような声が響く。
「ひっ……」
リィアンが悲鳴のような息を漏らして、ダナートの袖を引く。
「や、ヤバイよ。触手ちゃんがマジ怒だよ。早く謝らないと、なにされるかわからないよ?」
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