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「あ〜、暇ね〜」
ソファーにだらしなく座ったリィアンは、ふわぁとあくびをした。
肘掛けにしなだれかかっているその姿は、言葉の印象とは違って、妖艶だった。
ボン・キュッ・ボンと称するのがふさわしい魅惑的な肉体を柔らかい上品な布地が覆っているが、それは最小限。
胸の谷間がくっきり見えるほど開いており、体に沿って流れ落ちるスカートも長さはあったが、腿の途中からスリットでぱっくり開いていて、彼女の美脚を覗かせていた。
リィアンの顔もなかなかのもので、ツリ目が少々きつくはあるが、人を魅了するようなアメジストの瞳に控えめな鼻、美しく弧を描く赤い肉厚な唇は、男がつい誘惑されそうな官能を秘めている。
腰まである軽くウェーブした黒髪を指に巻きつけて、退屈だと軽く口を尖らせているリィアンは、コケティッシュな美人だった。
「そんなときはいつものをされますか、魔王様?」
「そうね〜、そうしよっか」
執事よろしくそばに控えているのは副官である。
低く渋い声で提案してくる。
表情の窺えない外見だが、まだ若く経験の浅い魔王であるリィアンに忠誠を尽くし、城の管理全般をしてくれている優秀な副官だ。
リィアンがいつものように指先にぽわんと赤い光を浮かべたとき───
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