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勝ち気な顔立ちも、そのくせ恥じらう初な様子も、ぷりんとした大きな胸も、すんなりと伸びた形のいい脚も、見れば見るほど好みで、目が離せない。
(いやいや! 気をしっかり持て、俺!)
パシンと自分で頬を叩いて、ダナートはリィアンの誘惑から逃れようとした。
そうやって、彼が自分と戦っている間に、後ろから忍び寄る影があった。
「うわっ!」
後ろから何重もの触手に絡め取られ、ダナートはぐるぐる巻にされた。
「くそっ! この触手はどこへでも現れるな!」
ここに来る間にもどれだけの者がこの触手の餌食になったことか。
ダナートは「炎よ!」と魔法を詠唱した。
これで触手を焼き払い、ここまで無事辿り着いたのだ。
しかし、魔法が発動しようとしたとき、「うっ……」とダナートは呻いた。
カッと全身が焼けるように熱くなり、ビンッと下腹部が反応した。
血が一箇所を目指して集まってくるのを感じた。
「な、なんだ!」
手足を触手に押さえられながらも、前屈みになって、ダナートは真っ赤になった。
「淫紋を発動させてしまったようですね」
副官が冷静な声で告げる。
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