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「そう? でも、特に被害はないでしょ?」
「そうですね。皆に娯楽を与えただけですね」
「じゃあ、許してあげてもいいんじゃない?」
「大丈夫です。勇者には気持ちよくなって貰うだけですよ、フフ……」
「そうなの?」
リィアンは安心したように頷いた。
生まれてこのかた、この触手の副官に育てられ、映像で快楽堕ちして悦んでいる人間しか見たことがなかった彼女は、快楽は善だと信じ込んでいた。
「せっかくなので、場所を変えましょう」
「場所を?」
「な、なにするつもりだ!」
「フフフ……」
わさわさとダナートに巻きついたまま、触手たちが移動する。
興味深げにリィアンはついていった。
でも、行き着いた先は馴染みの場所だった。
「なによ、触手ちゃん! 私の寝室じゃない!」
ワクワクしていたのに、自分の部屋だったので、リィアンは副官に文句を言った。
「せっかくですから、魔王様に楽しんでいただこうと思いまして」
副官がそう言うと、ダナートに巻きついていた触手が形態を変え、彼をベッドの上に吊り下げた。
膝立ちの姿勢で脚を固定される。
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